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INTERVIEW 2021.2.19

インタビュー 竹取物語もっちゃんち・望月陽子さん

春はたけのこ掘り、夏はしそジュース作り。一年を通してその季節ならではの旬の作物を収穫したり、加工したりと、安心院の農業やものづくりにも触れられるのが、「竹取物語もっちゃんち」。1996年以来、ご夫婦で先駆けて農泊に関わってきました。奥さまの陽子さんは、現在、2004年発足のNPO法人大分県グリーンツーリズム研究会の事務局長。安心院はもとより、大分県全体の農泊推進に努めています。

「安心院っていい場所もいっぱいあるし、とてもいい地名なのになかなか多くの人に知ってもらえてなくて、どうにかできないかという気持ちがもともとありました。また、私も主人も学校の先生をやっていましたので、退職して子どもたちと離れてしまうのはなんとなく寂しいなと思っていたんです。しかも退職したら、家にいるのが夫婦だけになるでしょう(笑)。だからせめて、誰かお客さんが家に来て欲しいな、と」

1996年のNPO法人安心院町グリーンツーリズム研究会の発足は、そんな陽子さんにとって願ってもなく、迷うことなく立ち上げに参加します。「農泊」という言葉が定着していなかった当時、「民泊」と呼ばれることも多かったといいますが、「農家の人が中心となってやっていることが大切だから、そこをちゃんとわかってもらうためには『民泊』と間違えられるのが一番嫌でした」と、当時を振り返ります。

その後、安心院にとどまらず町内外の農村地域活性化を広げる手助けにと、「藁こづみ体験」や「ふるさと探訪の旅」など、宿泊以外の活動にも数多く取り組んできました。「ふるさと探訪の旅」では、安心院やその周辺地域へ毎年2回に分けて足を運びながら様々な地域を探訪。単なる観光地ではなく近代化の過程で消えつつある農村遺品や農業を訪ねる旅を企画し、町内外の交流を図ってきました。

「私の大きな夢で、20年間取り組んできました。みんなで泊まって地域への夢を語りあって。それが安心院から町外に広がって、大分県の人たちがひとつにまとまるひとつのきっかけになったんじゃないかと思います」

全国津々浦々、様々な農泊を訪ね歩くのもライフワークのひとつ。旅館や民宿と違って、その地域の生活に一歩入り込んだような農泊は、心身ともに記憶に残るといいます。

「『ごめんください』と言って、玄関から2〜3歩踏み込むような、親しみのある感じ。それが農泊かなと思います。だから遠くの親戚の家に遊びに来た時のように、お客さんもいつのまにか『おばあちゃん家に来たみたい』とか、子どもが私のことをつい『ばあちゃん』って呼んだりします。それがますます親しみやすい雰囲気をつくってね。まるで家族の一員みたいで楽しいですよ」

25年間にわたり農泊を受け入れてきた陽子さんにとって、お客さんとの出会いは財産。中には農泊を始めた頃から続く付き合いもあります。「一回泊まれば遠い親戚、十回泊まれば本当の親戚」という合言葉のように、これからも安心院に訪れる人々と心の交流を大切にしたいと話す陽子さん。

「安心院には良いところがたくさんあります。山も近いし、ちょっと行けば海もある。温泉に入って、安心院の名物料理や農泊のお母さんたちの手料理を食べてゆっくりしていただけると嬉しいですね。受け入れ家庭もたくさんありますから、何度も足を運んでいただいて、安心院の人たちと仲良くなって、本当の親戚のような関係が生まれる。そんな安心院が長く続くといいなと思っています」

どこか親しみを覚えてしまう陽子さんの温かいお人柄に触れに、安心院へ足を運んでみてはいかがでしょうか?

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